髪の毛が生える仕組みを徹底解説。ヘアサイクルを知って薄毛対策

皆様は髪の毛がどのようにして生えているのかをご存じでしょうか?
AGAや薄毛の対策を効率よく行うためには、髪の毛が生える仕組みについて知っておく事も大切です。
今回は髪の毛の生える仕組み、そしてなぜ薄毛になってしまうのかについて詳しく解説いたします。

髪の毛の構造

髪の毛の構造は、外側から「キューティクル(cuticle)」、「コルテックス(cortex)」、「メデュラ(medulla)」という3つの層に分かれています。

この中で一番よく耳にする部分がキューティクルではないでしょうか、キューティクルは髪の表面を魚のうろこのように覆っている構造をしている部分で、髪の内部を守る働きをしています。

キューティクルは硬い半透明なうろこ状の細胞が4~10層程度に重なって内部を閉じ込めるような構造をしていますが、髪が乾燥したり刺激が加わると開いて剥がれ落ちてしまいます。
美しく艶のある髪の毛はこのキューティクルがしっかりと閉じた状態で、中の水分や組織が十分に保たれた状態である事が条件となるため、ヘアケア用品などではこのキューティクルを保護するタイプのものが多く販売されています。

キューティクルの内側にある成分の85~90%を占めているのがコルテックスで、髪の毛の大部分がこの部分にあたります。
髪の色が黒や茶色などで異なるのはこのコルテックスの色の違いで、合成されるメラニン色素の量や色などによって変化します。
コルテックスは毛髪の弾力を保つ部分で、キューティクルがはがれてコルテックスの成分や水分が外部に流出したりダメージを受けたりすると髪にハリがなくなります。

最も内側にある部分がメデュラという層で、たんぱく質に細かく沢山の穴が開いた構造をしています。
この部分の役割は実は明確になっていません。一つの説としては、髪の毛は環境などによって膨張したり収縮したりするので、その変化を吸収して一定の状態を保っているとされています。

3つの層に分かれる髪の毛は、主にシスチンと呼ばれるアミノ酸を中心としたたんぱく質で構成されており、髪の毛の根本にある「毛母細胞」と呼ばれる部分で作られています。

毛髪には神経や血管が通っておらず、そのため毛髪を切っても痛みを感じたり出血する事はありません。

栄養が体内から毛先まで届けられるという事もないため、美しい髪の毛を保つためには外部からのケアが重要となります。

髪の毛が生える仕組み

髪の毛は、毛髪の根本にある毛母細胞が成長因子などの指令によって活性化し、血管から取り込んだ栄養を使って新しい髪の毛の組織を作り積み重ねていく事で伸びていきます。

具体的には、まず髪の毛の根本にある毛乳頭細胞から、FGF-7(KGF)などの成長因子が作られ、これが毛母細胞のFGFレセプターという部分に接続します。
このFGF-7は毛母細胞成長因子とも呼ばれ、FGF-7が接続すると毛母細胞の分裂・増殖が開始されます。

毛母細胞は毛細血管によって運ばれてきたアミノ酸などの栄養を受け取り、細胞分裂によって新しい髪の毛の細胞を作り出します。

毛母細胞の分裂は髪の毛の根本で行われていますので、新しい細胞が作られると古い細胞は外側へと押し出されていき、これが繰り返される事で徐々に髪の毛が伸びていきます。

毛母細胞の活動は延々と続くわけではなく、正常な状態であれば男性で3~5年、女性であれば4~6年程度新しい髪の毛を作り続け、その後休止期と呼ばれる「髪の毛を作らない」時期へと入ります。

この髪の毛が伸びる時期と、抜ける時期、そして休止期は無数にある毛母細胞のそれぞれで繰り返されており、これをヘアサイクルと呼びます。

ヘアサイクル

ギネスの世界記録によると、髪の毛の長さは最大で7m93㎝、約8mにまで及んだとされていますが、これは特殊な例で、通常であればここまで髪を伸ばす事はできません。

というのも、髪の毛にはヘアサイクルというものがあり、髪が伸び続ける時期というのは一定の年月でストップするためです。

髪の毛は、毛母細胞が活発となって髪が伸び続ける「成長期」と、髪の成長が止まって抜け落ちていく「退行期」。そして、髪の毛が生えない状態の「休止期」という3つの段階が繰り返されています。この3段階が繰り返され続けるため、ヘアサイクルとよばれています。

成長期は人にもよりますが、平均すると男性で3~5年、女性で4~6年程度続くという事になり、髪の成長は早い人で1カ月に1.5㎝程、1年で18㎝程度伸びる事から、男性であれば90㎝、女性であれば108㎝程度の長さが限界という事になります。
もちろん、これはあくまでも平均であるため、人によっては10年以上伸び続ける事もありますし、ギネス記録のようにずっと成長を続けるという場合もあります。

成長期が終わると、毛母細胞で新しい髪の毛は作られなくなり、生えていた髪の毛もしばらく時間が経つと抜け毛となります。これを退行期と呼びますが、髪の毛の退行期を引き起こすのがAGAの原因であるジヒドロテストステロンなどの成分です。
退行期は大体2~3週間程度で行われ、髪の毛でいえば全体の1%程が退行期になるとされます。

そして、その後2~3か月程度、毛母細胞への刺激や栄養供給が停止された状態が続く時期が休止期で、この期間は髪の毛が無い状態が続きます。
正常であれば髪の毛全体の10~20%程度はこの休止期にあたる状態ですが、AGAの症状などの場合では休止期の期間が長くなる事から、休止期にある髪の毛の割合が多くなり薄毛の症状へと繋がります。

ヘアサイクルの乱れが薄毛に繋がる

ヘアサイクルのタイミングは「毛穴=毛母細胞」の一つ一つで異なるため、正常な状態であれば全てが一斉に休止期になって髪が無くなってしまうという事はありません。

しかし、AGAの状態は髪の毛の成長期が短くなり、一方で休止期が長くなるため、髪の毛が生えていない箇所が多く、かつ生えていても長く太くならないという薄毛の状態になります。

薄毛を解消するためには、このヘアサイクルを正常に戻し、髪の毛がしっかりと一定の長さまで伸び続け、かつ休止期が短くなるという状態を作る事が大切です。

一般的なヘアケア用品は、髪の毛のキューティクルをケアするなどで髪をキレイに保護する事はできてもヘアサイクルを正常に戻していくという働きがあるわけではありません。
ヘアサイクル改善のための成分が含まれた育毛剤や育毛シャンプーなども存在しますが、その効果は限定的で、やはり根本的な解消のためには医療機関での治療が効果的です。

薄毛が進行した状態を放置しておくと、紫外線などによって頭皮がダメージをうけやすくなり、ヘアサイクルを正常に戻しても髪の毛が生えにくいという状態になる事もありますので、薄毛治療はなるべく早めに開始した方が良いでしょう。

AGAや薄毛にお悩みの方は、是非一度お近くの専門クリニックまでご相談ください。